famibiz > FBAAコラム > ファミリー ビジネス アドバイザーの存在意味と役割

ファミリー ビジネス アドバイザーの存在意味と役割

FBAAフェロー 角昌夫

ファミリー ビジネス アドバイザーという仕事についてお話したいと思います。

良くご存じの方もおられるかもしれませんが、ファミリービジネスアドバイザーは、ビジネス、オーナー、ファミリーの立場や関係性を多面的、多角的にアドバイスする仕事です。同族企業固有の慣習、問題の解決をサポートし「家族・経営・所有」の橋渡しや、調整、相談にのります。また、特定の資格や専門性を持っている場合は、その分野でのサポートはもちろんの事、他の専門家とアライアンスを組み、チームソリューションを提供しています。

 

私が、ファミリー ビジネス アドバイザーという固有名詞に出会って3年が経ちました。

しかし、世にどのくらい認知されているかといえば、まだまだ耳に新しい、或いはご存じない方の方が多いと思います。

そもそも「ファミリー ビジネス」と聞いても、「同族企業」とつながらない方もおられます。

ファミリー ビジネスとは、一定の家族、親族が経営、所有、またはその両方において大きな影響を持つ事業の事を指します。

ほとんどが同族企業の日本では、経営コンサルタントと違うの?と思われるでしょう。

また、経営コンサルタントからすれば、「何を今更、うちのクライアントは皆、同族企業だよ!?」と思われるかもしれません。

しかし、ファミリー ビジネス アドバイザーは、立ち位置が違います。

ミッションは、「家族と、事業における発展と永続」です。

 

勉強をしていくうちにファミリー ビジネス 特有の目線、関わり方、アドバイスができることに気が付きました。法務、税務、労務など専門的な知識や、スキルも必要になりますが、資産管理を始め、経営、相続などに関連する事もあります。

ファミリーゆえの強み、弱み、シンプルさと難しさが混在す事が多く、金銭、利権のみならず、判断基準にさえ公私が入り混じる事があり、健全なビジネスシステム、ファミリーシステム、オーナーシステムが機能しないことがあります。

特に、多い問題は、世代間ギャップです。

つまり、親世代、子世代での考え方、意見の食い違いが有ることです。

「そんなことは、分りきっている、簡単な事だが、できれば世話はない」とよく言われます。

が、この「簡単な事ができない」と言う矛盾が厄介なのです。

 

ケース1

家の中(プライベート)でも、役職で呼び合う事や、近所であるのに、別居をしている事があります。出来るだけ、プライベートを排除して、事業を優先しているかのように見えますが、これは当事者の区切りでしかなく、結果的に家族としての会話がかみ合わず、信頼度が落ち、相手を尊重できない状況になります。

 

ケース2

家族故に、甘え、わがままが出て、それぞれが自分の考えや、意見を主張することで、相手に対する敬意や尊敬の念が欠如し、その結果コミュニケーションが取りにくくなり、時に足を引っ張り合う事があります。

 

ケース3

親しすぎるのも問題で、家族間の仲がいいからこそ、話し難い事、切り出し難い事、言い出せない事があります。感情に支配されてしまい重要な決断ができない事があります。

 

このような時に、アドバイザーを介し、第三者的な判断を元にコミュニケーションを効果的にとる事ができれば、大切な時間や手間を省けるだけでなく、ファミリー、ビジネス、オーナーシップに有効な信頼が構築できます。

親子としての会話を心がけ、「おとうさん」とか「おやじ」みたいな呼び方で会話をする事が有効です。今まで、見てきた「うまくいっているファミリー ビジネス」のポイントは、子世代の心の許容量を増やす事です。

親世代は何の気ない会話のつもりでお話されますが、これは、メッセージでもあります。

聞く立場の子世代は、先ずは真剣に聞き、否定はせず、歴史として受け止めることです。

これが実は簡単にみえて難しいことで、訓練が必要です。

 

事業承継が上手に進み、更に経営を伸ばす後継者は、必ずと言っていいほど、先代への敬意、尊重を忘れません。これは、自分がバトンを渡す時に次世代にどのように扱われたらうれしいか? 腹が立つか?を考えればよくわかると思います。

「家族らしい」呼び方で日々の挨拶から、始めてはいかがでしょうか?

 

ファミリー ビジネス アドバイザーが必要とされる場は、様々な所にあります。

財務、法務以上にデリケートな情報や感情が絡むため、専門家であれば誰でも良いと言う事にはなりません。感覚的な相性まで考慮しなくてはなりません。

ファミリー ビジネス アドバイザーになる前にまず習うのが、「知り得た事は墓場まで」と言う事でした。覚悟が必要ですね。

 

日本ではファミリー ビジネスの専門家は極めて少なく、実務家として活動している人は更に少ない状況です。現在、ファミリー ビジネスの問題解決の信頼できるパートナーとして、ファミリー ビジネス アドバイザーを探せる仕組みを作っています。

 

一方で、ファミリー ビジネス アドバイザーの存在、役割を広めて行かなくてはなりません。

そうする事で、多くの企業にかかわり、結果、そこで働く人、そこで提供する商品やサービスが良くなれば、社会貢献にもなり大きな意味を持ちます。

ファミリー ビジネス アドバイザーに興味のある方は、FBAAの門を叩き、認定アドバイザーをめざし、ともに「ファミリー ビジネスの発展、永続」をミッションとして活動しましょう。

ファミリー ビジネス アドバイザーが必要な方は、お気軽にお声掛け、ご相談ください。

Author Profile

http://www.sp-rings.com/

境港市出身。専修大学商学部卒業後、コンビニエンスチェーンの本部に就職。その後、大手保険会社で研修後、4代続く保険代理店に勤務。2008年に境港市で「スプリングス」を設立。ファミリービジネスアドバイザーとしては、2014年9月に松江オフィスを、2015年4月に米子髙島屋オフィスを開設。 ファミリー ビジネス アドバイザー協会 会員として、様々な事例や、解決方法を提案しています。また、弁護士、税理士、労務士、行政書士、司法書士等、経営コンサルタント、医業コンサルタント等のスペシャリストとの提携により、高度な問題解決法を提供中。 トータルライフプランナー(生保協会認定FP)、特級損害保険代理店、相続診断協会・認定相続診断士(認定番号508723)、 一般社団法人日本ファミリービジネスアドバイザー協会(FBAA)・ファミリービジネスアドバイザー資格認定証保持者(フェロー)
Latest entries

執筆者へ問合せをしたい方はこちらからお願いします