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経営コンサルは「俺」流で良い、しかし「事業承継」はそれだけでは通じない

日本ファミリービジネスアドバイザー協会

経営コンサルを起業して3年、幸いいろいろな仕事を頂いたが、顧客はベンチャーに収斂してきた。 ベンチャーは大きな構想(夢)と脆弱な経営力のダブルで常在戦場である。

経営コンサルは「俺」流で良い。 事案について私の経営の勘が働かなければ満足してもらえる提案は出来ないし、そもそも顧客の経営理念や価値観に 大いに共鳴するところが無ければ(それは相手にすぐ分かる)、話が始まらない。

つまり、私の経営コンサルは優れて私個人の職業経験と人生観に依って立つものである。

ところが、事業承継が絡んでくると、「俺」流だけではお役に立てないと悟った(悔しいけれども)。

中堅規模・製造業の会社売却に際しアドバイスをしたことがある。 グローバル化による業界事情の変化を受けた余儀ない経営判断である。

ただ、社長は息子さんに事業の一部を残したいとの強い希望があり、しかし、経済合理性からは一括売却を奨める事案であったので、その思いの強さを理解するのにとまどった記憶がある。

結局は、丁度その頃運よくFBAAの研修を受け、ジェノグラムという手法を知り、それに触発されて家族の歴史を聞いていくうちに社長の気持ちに思いが及ぶようになり、なんとか満足してもらえるアドバイスを出来た。

事業承継と言うとすぐに「相続や税のことか」と考えがちであるが、やはり根幹は親としての気持ちの問題である。 今はベンチャーの世界に熱中しているが、いずれこの領域の仕事に遭遇しないものかと秘かに期待している。

 

FBAAフェロー 鈴木信男